英会話ができるようになるための学習ガイド&初心者・中級者向け勉強法
英語学習のプロの意見 : 4
英会話ができるようになるには、どういった勉強をするのが正解で、ステップアップへの近道になるでしょうか。
結論から言うと、自分のレベルに合った学習法を段階的に進めるのがポイントです。初心者のうちは単語・文法の基礎力を付ける学習をします。そして中級レベルに達したら、さまざまなアプローチで「話す」練習を取り入れていきます。
いち早く英会話ができるようになりたい気持ちは誰にでもあるものです。しかし、ポイントを押さえながら少しずつレベルを上げていくことをおすすめします。
今回は英会話を一から学ぶ、もしくは学び直す人のために、英会話ができるようになるための学習ガイドを紹介します。初心者・中級者それぞれにおすすめの勉強法も取り上げます。
「初心者で英会話ができるようになる道筋が立っていない」「英会話力を伸ばすための効果的な方法を知りたい」人はぜひ参考にしてみてください。
この記事に登場する英語学習のプロ
竹村 和浩
ビジネス・ブレークスルー大学経営学部准教授、株式会社ユニバーサル・エデュケーション 代表取締役。英検®1級・英語通訳案内士。英語発音矯正士。英語発音矯正の専門家であり、この分野の第一人者。独自の英語音声指導法:EVT: English Voice Train、ing ,英語生成教則:GEM: Generative English Methodを開発。日本にいながらにしてグローバルに活躍できるグローバル人材育成の専門家。日本人がグローバルに活躍するために必要な、英会話の基礎としての英語発音トレーニング、ディベート、ロジカルシンキング、欧米型交渉術、日本文化を理論的に学ぶ「日本学」を専門としている。
Shin
TOEIC®︎985、英検®︎1級、TOEFL®︎108。純日本人ながら、大人になってからの日本における自学自習で英語力を磨く。その後、大学受験予備校講師、英検®︎講師、TOEIC®︎講師、TOEFL®︎講師等、英語に関するあらゆる試験を指導する講師職に就く。
Masumiコーチ
子供の頃から海外に興味があり、海外ドラマや洋画を観たり、洋楽を聞くうちに英語をもっと勉強したいという気持ちになる。外国語大学に進学し、第二言語習得論や異文化コミュニケーションを学ぶ。卒業後、オーストラリアに1年間語学留学。家庭教師、個別指導塾講師、翻訳、訪日外国人接客業務などに従事。英検®1級、TOEIC®970点取得。
くん
外資系勤務歴7年目。TOEIC®850 / VERSANT®︎56。半年でVERSANT®︎レベル1UPを目指せるよう、ビジネス英語やシャドーイングの学習方法を中心にご紹介します。留学経験なしでシャドーイング学習を中心に英語学習を継続し、1年足らずで47→56(B1+:受験者の上位10%)まで成績UP。
英会話が「できる」とは?
英会話が「できる」とは、瞬時に頭の中で英文を組み立て、自然に口から英語が出てくる状態を指します。筆記テストで高い得点を取るだけでは英会話ができるとは言えません。
この状態になるには十分な単語と文法の知識に加えて、会話の瞬発力や発音の正確さなどの要素も不可欠です。
英会話ができるとは、以下の要素がバランスよく備わった状態を指します。
- 十分な単語と文法の知識
- 正しい発音
- 聞き取り力
- 文脈理解能力
加えて、スムーズに会話するためのコミュニケーション力も求められます。こういったスキルはインプット学習のみでは習得できません。大切なのは「知る→理解する→使う」のステップを踏むことです。
インプットとアウトプットのバランスを意識しながら、継続的に学習することが英会話が「できる」ようになるコツです。
関連記事:英会話の勉強法|初心者が学ぶべき基本から上達方法まで
英会話ができるようになるための学習ガイド
ここからは英会話ができるようになるための学習ガイドを紹介します。英会話を一から学ぶ、もしくは学び直すために必要なポイントを5つにまとめました。
「英会話ができるようになりたいけど、何から始めたらいいかわからない」「独学で英会話をマスターしたい」人はぜひ参考にしてください。
具体的な目標を決める
英会話ができるようになるには、まず具体的な目標を持つことが大切です。具体的な目標とは、期限付きで設定されたゴールのことで、何をするのか行動レベルまで落とし込む必要があります。
目標を設定するメリットは以下の2つです。
- 学習の方向性が明確になる
- 学習計画を立てやすくなる
目標の例として
- 旅行で困らない英会話力を身に付ける
- TOEICのスピーキングテストでXXX点を取る
- 職場でプレゼンテーションできる程の英会話力を習得する
などが挙げられます。
英会話の勉強は何となくでスタートしないように注意してください。目標が曖昧だと学習の方向性が定まらず、モチベーションが低下しやすくなります。
また、目標が高すぎると達成が難しくなり、挫折の原因になりがちです。目標は現実的で達成可能なものであることが重要です。
完璧主義を捨てる
英会話ができるようになるために完璧主義を捨てましょう。多くの人が「間違えると恥ずかしい」という思いから、英語を話すのを避けてしまいがちです。
完璧を求めすぎることで、自分の英語力に自信を持てなくなります。ネイティブと英会話をする機会があっても、話すことをためらい、何も言えなかった経験をしたことがある人もいるでしょう。
しかし、間違えることは決して悪いことではありません。失敗をして学ぶ機会を新たに得られるのです。間違えたとしても積極的に話してみると、これまでに気付かなかった自分の改善点に気付けます。
完璧主義を捨てるためにも、心理的に安心して練習できる場所を探しておきましょう。相性のいい英会話スクールの先生やプレッシャーを感じずに学習できる仲間を見つけると、上達が早まります。
いまのレベルと苦手分野を知る
効果的に学習を進めるために、いまのレベルと苦手分野を知っておきましょう。これらを正確に把握することで、今後学習すべき分野・スキルが明確になります。
たとえば、文法の知識がなく文章を正確に理解できない人と、リスニング力がなく聞き取れない人では、学習すべき内容がまったく異なります。
もし、自分の苦手分野がわからない場合は、インターネットで無料テストを受けてみるのもいいでしょう。テストを受けることで自分のいまの英語力と改善点が明確になります。改善に向けた具体的な学習計画も立てやすくなります。
「duolingo english test」では、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングのレベルをチェックできます。気になる人はぜひテストを受けてみてください。
毎日学習時間を確保する
Shin
英会話ができるようになるには、継続的な学習が不可欠です。平日1〜2時間、週末3~4時間の学習を続けると、3〜4ヶ月で簡単な日常会話ができるようになるでしょう。
ここで大切なのは毎日学習することだけでなく、インプットとアウトプットのバランスを意識することです。初心者のうちはインプット学習が大切ですが、レベルが上がってきたらアウトプットを組み合わせた学習に切り替えましょう。たとえば、練習の成果を確かめるアウトプットの機会として英会話レッスンを活用し、それ以外の時間は準備するための時間とします。
レッスン中に最大限の力を発揮できるよう、話す内容やチェックしてもらいたい発音などを整理しておきましょう。レベル別の効果的な学習法を後ほど解説するので、ぜひ参考にしてください。
実践で「使える」英語を学ぶ
実践で「使える」英語とは、ネイティブと話す場でスムーズに意思疎通ができる英語です。また、自然な表現やニュアンスを瞬時に理解することや、意図を正確に伝えられる能力も含まれます。
実践で使える英語を学ぶには、ドラマや映画、YouTubeなどを活用し、実際にネイティブが使っている表現を覚えるのが効果的です。初心者はアニメやコメディなど、理解しやすいコンテンツを選びましょう。
ビジネスレベルを目指す人は英語ニュースにチャレンジしてみてください。外国のニュースを聴くのはハードルが高いと感じる場合は、「NHK WORLD RADIO JAPAN」をはじめとした、日本のニュースを英語で聴けるPodcastがおすすめです。
そして、ネイティブと自然なコミュニケーションができる英語を身に付けるには、話すトレーニングも欠かせません。追って具体的なトレーニング法を紹介します。
英会話ができるようになるためのおすすめ勉強法
ここからは英会話ができるようになるための効果的な学習法を紹介します。初心者・中級者別におすすめの勉強法を、具体的なやり方や手順を挙げながら解説します。
すぐに実践できる内容をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
初心者
初心者はインプット学習を重点的に行いましょう。なぜなら基礎知識がないとアウトプットできる量が少なく、実践の場でも十分な学びを得られないからです。インプット学習とは、英語を読む・聞くことです。このインプット学習によって英語を話せるようになるため基礎力が鍛えられます。
基礎単語・文法学習をする
まずは基礎的な単語と文法を学習しましょう。学習ステップがわからない人は以下の順を参考にしてください。
- 日常会話の基礎単語を覚える
- 中学レベルの基礎文法を学ぶ
- 自分で文章を作る
ビジネスレベルを目指す人も、まずは日常会話レベルの単語から覚えましょう。その次に、文章を正確に理解するために基礎文法を学んでください。単語を知っていれば文章の意味もだいたいわかると考える人もいるかもしれません。しかし、文法の知識がない状態では文章全体の意味や文脈を正しく理解できません。
たとえば、下記は2つとも「友達とバスケットボールをした」ことを表す表現です。しかし、異なる意味を持ちます。
- He played basketball with his friends.(彼は友達とバスケットボールをした)
- He has played basketball with his friends.(彼は友達とバスケットボールをしたことがある)
このように文法を理解していないと、相手の言っていることを的確に理解できないだけでなく、自分の意図も正確に伝えられません。
基礎力に自信がない人は、中学1年レベルの単語・文法から復習しましょう。
発音のルールを理解する
竹村 和浩
次に取り組むべきは、発音のルールを理解することです。多くの人が英語の読み書きは得意でも聞き取りや会話ができないのは、発音を理解していないことが一因です。リスニングやスピーキングに苦手意識のある人は発音の基礎力が足りてないのかもしれません。
さらに、発音ルールの知識は英会話力を磨くためにも大切です。いくら文法通りに言葉を並べたとしても、発音が違うと正しく伝わらないこともあります。
覚えた単語・文法を使える英語に昇華させるためにも、発音学習は避けられません。「独学でどう発話練習したらいいかわからない」という人は、下記の記事を参考にしてください。
関連記事:英語の発音を良くするには?基本の発音ルールとトレーニング方法
リスニングの基礎力を鍛える
スピーキング力と同じくらい大切なのがリスニング力です。初心者のうちは英語のリズムに慣れるためにも、すきま時間を活用し毎日英語に触れましょう。
最初のうちは中級者・上級者に好まれるビジネスレベルの教材や、大人向けのドラマ・映画はおすすめしません。難易度が高く、聞き取れる内容があまりに少ないと挫折につながるためです。まずは基礎単語・フレーズがカバーされた初心者向けの教材でリスニングを鍛えましょう。また、リスニングは「ながら学習」に向いています。アプリを活用すると、好きな場所・時間にリスニングできるため継続しやすいでしょう。
ぜひ下記の記事を読んで、自分にぴったりのアプリを見つけてください。
関連記事:英語の聞き流しに使えるおすすめの無料・有料アプリ12選!
中級者
ここからは中級者向けのおすすめの勉強法を解説します。基礎力がある中級者は、インプットからアウトプットにつなげていくための学習方法や、実際に英語の文章を一から書いてみる、話してみるなどアウトプット学習に注力しましょう。具体的な学習法を紹介します。
英語で日記を書く
まずおすすめなのが、英語で日記を書くことです。日記を書くことで日常の出来事や自分の考えを英語で表現するトレーニングができます。
日記を書く際に、わからない単語やフレーズを調べて書いた箇所はマーキングしておきましょう。そして定期的にその箇所を振り返り、調べた表現が自分の頭の中に定着しているかをチェックします。
はじめは日本語から英語に翻訳する方法で構いません。続けるうちに英語で思考し、英語のままアウトプットできるようになるでしょう。そのレベルに達すると、会話でもよりスムーズに英語が出てくるようになります。
また、日記として記録を残しておくことで、自分の成長を客観的に把握できるのもメリットです。
最初のうちは簡単な文章しか書けないかもしれませんが、徐々に英語力が向上し、より複雑な表現ができるようになるでしょう。自分の成長を実感できるのは、モチベーションUPにもつながります。
関連記事:英語日記の書き方│初心者でもスラスラ書けて英会話力を上げる方法
ディクテーションする
Masumiコーチ
英会話力の底上げに効果的なのがディクテーションです。ディクテーションとは、聞こえた英語を聞き取り、書き写すトレーニングを指します。
リスニング力の改善に効果的なトレーニングとして知られていますが、それだけでなくスペルや文法の練習にも最適です。
ディクテーションをすると「知っている単語だけど聞き取れない」「単語の知識がないから、聞き取れない」など問題点が明確にわかるようになります。
また書き取った文章を見返して、冠詞や前置詞、複数形のsの抜け落ちなどもチェックできるため、文法力も鍛えられます。
ディクテーションは時間がかかるトレーニングです。「効率的でない」と考える人もいるかもしれませんが、ディクテーションは自分の弱点を発見するために最適なトレーニングです。弱点がわかれば、あとはその部分を集中的に学習するだけです。これまで試したことがない人はぜひチャレンジしてみてください。
関連記事:ディクテーションとは?効果的なやり方と教材の選び方
シャドーイングをする
くん
自然な英語のリズムや正しい発音を身に付けるのに効果的なのが、シャドーイングです。シャドーイングとは、聞こえてきた英語を即座に口に出すトレーニングを指します。
シャドーイングで重要なのは以下の2つです。
①教材選び
②方法
まず、スクリプト付きの教材を選びましょう。教材の音声の長さは15〜45秒が理想です。音声が長すぎるとシャドーイングのハードルが高くなり、また学習時間も足りなくなるでしょう。そして複数の教材を活用するより、同じ教材で繰り返し練習するほうが効果的です。
教材を選んだら下記の方法で練習します。
- 最初にスクリプトを読んでおく。知らない単語や発音に自信がない単語を調べる
- スクリプトを読みながら音声を聞く
- 音読する
- スクリプトを確認しながら音声と同時に発音する
- シャドーイングする
シャドーイングが難しい場合は、まず1~4までを繰り返し練習してください。慣れてきたらシャドーイングにチャレンジし、レベルアップを目指しましょう。
実践の会話練習をする
中級者は積極的に実践練習にチャレンジしましょう。実践練習を積むことで「発音が違うせいで通じなかった」「知っているはずのフレーズが聞き取れなかった」など、独学では得られないさまざまな気づきを得られます。
英会話習得の過程はスポーツに近いと言えます。基礎体力を付けてルールを理解したら、それ以降は練習しながら上達していくものです。
また、実践での練習量を増やすことで自信がつき、心理的なハードルも下がります。間違いを怖がらないマインドが徐々にできあがり、上達が早まるでしょう。実践練習の場として、以下のような場所が挙げられます。
- 英会話スクール
- 英会話サークル
- 英会話カフェ
- 外国人を相手にしたボランティア活動
練習を続けるためにも自分のレベルに合った環境を選びましょう。
英会話ができるようになるには「話す」練習をしよう
英会話ができるようになるには、話す練習が欠かせません。初心者の場合は、基礎知識を増やすことから始め、レベルが上がるにつれ、話す練習も取り入れましょう。
中級者は定期的に実践練習を取り入れてください。そうすることで自分の間違いに気付きやすくなり、上達も早まるでしょう。継続すると英会話への抵抗も薄れていくはずです。
しかし「人見知りで英会話サークルに参加するのが苦手」「英会話レッスンで先生を目の前にすると緊張して英語が出てこない」人もいるでしょう。
そのような人はAIキャラクターと会話練習ができる「スピークバディ」をぜひ活用してみてください。いつでもどこでもAIと会話練習ができ、1レッスン15分程度のため、忙しい人でも続けやすいのが魅力です。
また、AIによる発音のフィードバックを受けることで、自分自身の発音やアクセントをすぐに改善できます。
とくに「人前で話すのが恥ずかしい」「間違いが怖くて英語を話せない」人は、AIとの会話練習がおすすめです。
練習を重ねて自信を持って話せるようになったら、ぜひ英会話レッスンや英語サークルで学習の効果を試してみてください。