社会人の英語やり直しステップを詳しく解説!英語力ゼロでも大丈夫
英語学習のプロの意見 : 3
「キャリアアップのために英語をやり直したい」
「社会人だけど一から英語を勉強したい」
「英語力ゼロだけど海外旅行で英語を話せるようになるにはどうしたらいい?」
このように英語をやり直したいと思っている社会人の方に向けて、英語をやり直す効率的なステップや気をつけるべきことを解説します。
社会人が英語学習を続けるためには「継続」がカギとなりますが、そのためのコツもご紹介しています。
英語をやり直す方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事に登場する英語学習のプロ
Yuuコーチ
日本生まれ。オーストラリア University of New South Wales 経済学専攻、卒業。英会話スクール勤務を経て、現在は英語公用語のグローバルなIT企業で働いています。子どもから大人まで英会話、文法、勉強方法などの指導経験あり。英検®1級、TOEIC®980点取得。猫を4匹飼っています。
Harue
【英語ある生活で子どもと大人の未来を拓くDAAグローバル子育てコーチ】子どもの興味関心、発達段階、個性、脳の特性を活かした英語習得法、またその土台となる親子の心育てについて研究し、おうちの方向けに発信している。大手英会話学校講師時代には、幼児から大人クラス、プライベートレッスン、資格試験クラス、セミナーなど幅広く担当し、国内自動車メーカーで社外講師としての経験もあり。大人の英語学習においては、個々の興味関心を活かした英語学習のコーチングが得意。一児の母であり、自身の子供にも、ツールとして運用ができる英語力が身に付いていくよう、好奇心や発達段階、思考力・想像力の基盤である母語も大切にしながら、無理なく自然に英語に触れさせている。
Yukoコーチ
オーストラリア在住10年。日本とオーストラリアで介護・看護師の勤務経験あり。IELTS™7.5取得。現在はオーストラリアで販売員のアルバイト、英語コーチングをしつつ子育て中。勉強法や習慣化などの本を読むのが好きです。
社会人が英語をやり直すメリットとは?
社会人が英語をやり直すメリットとして、以下の点が挙げられます。
- キャリアアップの可能性が広がる
- 海外旅行がもっと楽しめる
- 英語学習が生涯の趣味になる
具体的にどのようなメリットがあるのか、見てみましょう。
キャリアアップの可能性が広がる
英語力を身につけると、仕事の選択肢やキャリアパスが広がります。
グローバルに展開する企業や外資系の職場では、英語を使うことが多く、ビジネススキルとともに英語力が求められる場面が増えています。
実際のデータを見てみましょう。
TOEICの運営を行うIIBCが発表した「英語活用実態調査2019」によると、「今後のビジネスパーソンにとって重要な知識やスキル」の第1位は「英語」でした。
回答した企業のうち、82.6%が英語を重視していると回答しています。
さらに、「社員に不足している・今後強化する必要がある知識やスキル」を尋ねたところ、67%の企業が「英語」を挙げました。
この結果から、多くの企業が英語を重要視している一方で、社員の英語力の強化を課題として認識していることがわかります。
引用:英語活用実態調査2019(企業・団体)
これらのデータは、英語力が高いことがキャリアアップや転職での大きなアドバンテージとなり、企業が求める人材であることを示しています。
海外旅行がもっと楽しめる
2024年8月の日本人出国者数は、前年同月比で19.7%増加しており、海外旅行への関心が高まっていることがわかります。
そのため、海外旅行をより充実させるために英語をやり直したいと考える方も増えているのではないでしょうか。
引用:アウトバウンド 日本人海外旅行動向(株式会社JTB総合研究所)
英語が使えるようになると、海外旅行がより楽しめるようになります。
レストランで注文したり、ホテルでチェックインしたりするときに英語が使えるととても便利です。
困ったことがあったときや現地の人と話をしてみたいときにも、「英語が使える」という自信があると心に余裕が生まれます。
英語学習が生涯の趣味になる
学生時代の英語学習は、試験や成績のために行っていたかもしれませんが、趣味として行う大人になってからの英語学習は、人生に彩りを加えるものになるでしょう。
英語がわかるようになると、映画やドラマを字幕なしで理解したり、英語の書籍をそのまま理解したりできるようになり、楽しみがどんどん広がります。
試験や資格取得が目的の英語学習とは違い、趣味としての語学学習には終わりがありません。新しい単語や表現に出会うたびに知識が深まり、学ぶ過程そのものが充実感につながっていきます。
少しずつ使えるフレーズが増えたり、映画のセリフが理解できるようになったりする経験は、学びを続ける自信と楽しさを感じさせてくれるでしょう。
「一生続けられる有意義な趣味を持ちたい」と考える方には、英語学習がおすすめです。
社会人が英語を効率的にやり直す8つのステップ
忙しい社会人が英語学習をやり直すときは、効率が重要です。限られた時間を効率よく使いながら、基礎から段階的に学習を進めると、無理なくスキルアップできます。
- 目的・目標を決めて学習を進める
- 発音の基礎を固める
- 英文法を復習する
- 英単語を覚える
- リスニング学習を行う
- 音読やシャドーイングをする
- 日記や英会話アプリでアウトプットする
- 定期的に学習進捗を振り返る
英語をやり直す際の具体的なステップを紹介していきます。
①目的・目標を決めて学習を進める
英語学習をやり直すときにまず大切なのは、「なぜ英語を学びたいのか」という目的をはっきりさせることです。
例えば、「英語を使う業務に携わりたい」「海外旅行をもっと楽しみたい」「趣味で英語の映画や小説を理解できるようになりたい」といった、最終的に達成したい目標を具体的に考えておきます。
この目的が学習のモチベーションになり、くじけそうになったときに継続するための原動力となります。
目標は、この目的を達成するための指標のことです。
目的だけだと内容が漠然としているため、小さな目標を順番にクリアしながら目的に近づくイメージで学習を進めましょう。
目標の例として挙げられるのは、「3ヶ月以内にTOEICで400点を目指す」「オンライン英会話で自分の仕事について説明できるようになる」などです。
具体的な目標を決めると、毎日の学習を管理しやすくなります。また、目標があると短期的な達成感が得られるので、学習のモチベーションを高めることができます。
②発音の基礎を固める
社会人が英語をやり直すうえでまず重視したいのが、発音の基礎を固めることです。
発音の基礎がしっかりしているとリスニングやスピーキングがスムーズになり、実践の場で自信を持って使えるようになります。
日本語と英語の発音は全く異なるので、まずは英語の発音記号やフォニックス(音と文字のルール)を学ぶことから始めましょう。
フォニックスについては、以下のブログ記事もぜひご参照ください。
フォニックスアプリで英語の基礎力を底上げ!大人向けおすすめ7選
③英文法を復習する
中学レベルの英文法をしっかり復習しましょう。
中学レベルの文法は、英語の基礎的な構造を理解するための土台となります。英会話やビジネス英語にも、中学英語の文法はとても役立ちます。
おすすめなのは、短期間に集中して復習する方法です。
文法書や参考書を一つ選んで、1〜3ヶ月で集中的に中学レベルの文法を復習しましょう。
その後、高校レベルの文法書に進んだり、実践を通して繰り返し復習をしたりすると効率的です。
リーディングやスピーキングをする中で、わからない文法がきっと出てくるでしょう。そのときは、文法書をもう一度開いて復習します。
一度読んでいる内容なので、比較的スムーズに理解できるはずです。
Yuuコーチ
④英単語を覚える
英単語の学習では、自分の目標に合った単語帳や教材を選ぶことが大切です。
例えばTOEIC対策をしたい場合は、「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ」のような、TOEICに特化した単語帳が効果的です。
高校レベルから単語を学び直したい場合は、「英単語ターゲット1900」や「DUO 3.0」といった総合的に単語を学べる教材がおすすめです。
社会人が英語をやり直すということは、「単語が使えるようになること」が最終目標の方が多いでしょう。そのため、社会人の単語学習では、ただ暗記するだけでなく単語のイメージをつかむことがポイントとなります。
意味が覚えにくい単語は、その単語を使った簡単な文章を自分で作ってみると、単語の意味や使い方がより理解しやすくなります。
また、必ず音声も一緒に覚えていきましょう。発音とリスニングの両方が鍛えられます。例文付きの単語帳を使えば、その単語をどんな文脈で使うのか学べるのでおすすめです。
⑤リスニング学習を行う
英語初心者の頃から英語の音に慣れておくと、その後の学習が楽になります。
特に、海外旅行や外国の友人との会話を楽しみたい方は、リアルな英語のスピードに慣れることがポイントです。
YouTubeやNetflixを活用して、日常的なスピードの英語に触れる機会を増やしましょう。
初心者の方は、まずゆっくりしたスピードの教材から始めて、徐々にスピードを上げていくと効果的です。
Harue
⑥音読やシャドーイングをする
音読やシャドーイングをして、リスニングとスピーキングを鍛えていきましょう。
まずは音読から始めるのがおすすめです。
TOEICの過去問、英語ニュース、TEDなどスクリプトと音声がある教材を選び、音声を聞いた後に声に出して読み上げましょう。
練習していくうちに、自分の発音のクセや発音しにくい部分が見えてきます。音読を繰り返して、発音を覚えながら英語のリズムに慣れていきましょう。
次のステップとしておすすめなのは、シャドーイングです。
シャドーイングでは、スクリプトを見ずに聞こえた英語の音をそのまま発音します。自分の音声を録音すると、発声できていない部分が明確になります。
Yuuコーチ
⑦日記や英会話アプリでアウトプットする
インプットしながら、アウトプットも同時に行いましょう。
「アウトプットは単語や文法を全て覚えてから…」と思っていると、ハードルが高くなってしまいます。基本的な文型や単語を覚えたら、自分で文章を作ってアウトプットしていくのがおすすめです。
おすすめなのは、日記や英会話アプリを活用したアウトプットです。
日記は、日常生活の中で使う身近な語彙を増やすのにぴったりで、文法の復習にも役立ちます。日記を書くと、日常の出来事を英語で表現する力がついていきます。
さらに、日記に書いた内容を英会話アプリで実際に話してみると、より記憶に定着します。オンライン英会話やAI英会話アプリを使って手軽にアウトプットしてみましょう。
「人と話すのは緊張する」という方には、AIを使った英会話アプリがおすすめです。
AI英会話スピークバディやSpeakといったAI英会話アプリでは、AIとの会話を通じてアウトプット練習ができ、恥ずかしさを感じることなく会話練習できます。
AI英会話スピークバディの評判・口コミとは?効果的な使い方を英語のプロが徹底評価
AI英会話アプリ「Speak(スピーク)」って効果ある?使い方やメリットを解説
⑧定期的に学習進捗を振り返る
定期的に進捗を確認し、これまでの学習を振り返ってみましょう。
TOEICや英検などの試験を受けたり、以前に解いた問題集をもう一度解き直すと、成長を実感しやすく、モチベーション維持につながります。
最初は難しかった問題が簡単に解けるようになっていれば、実力がアップしているのをしっかり感じられるでしょう。
また、振り返りの際には、最初に設定した目的や目標がどの程度達成できているかも確認しましょう。
「TOEICで目標スコアに近づいているか」「どのくらいオンライン英会話で話せているか」などを確認することで、学習計画を見直したり、新たな目標を設定したりするきっかけになります。
振り返るなかで、自分の強みと弱点も明確になります。
例えばリスニングが得意になってきた一方で、スピーキングにまだ課題があると気づいた場合、次の学習計画にスピーキング強化を組み込むといった調整をしてみましょう。
Yukoコーチ
社会人が英語をやり直す際に気をつけること
社会人が英語をやり直す際には、いくつかの注意点があります。
- アウトプットばかりに偏らない
- たくさんの教材に手を出さない
- 高すぎる目標を作らない
- 一度中断しても大丈夫!やり直しは何度でもできる
これらのポイントを押さえて、効率よく取り組むことが大切です。
アウトプットばかりに偏らない
社会人の英語学習ではアウトプットが重要視されがちですが、インプットも同じくらい大切です。
会話やスピーキングばかりに時間を割くと、単語や文法などの基礎が不足し、英語力が伸び悩むケースがあります。
インプットとアウトプットをバランスよく取り入れることで、しっかりステップアップすることができ効率よく英語力を伸ばせます。
アウトプットが伸び悩んでいるときは、インプット量が足りているか、文法や単語の基礎ができているかを今一度確認してみましょう。
たくさんの教材に手を出さない
英語学習の教材はたくさんあって、ついつい色々な教材を買いたくなってしまうかもしれません。
ですが、あれもこれもと手を出すと逆に学習効率が下がってしまいます。
自分に合った教材を絞り込み、1冊を繰り返し学習することでより深く理解できるようになります。
1周目で間違えた問題を再び解いたり、2周目はシャドーイングに使ってみたりと、一つの教材を隅から隅まで理解することを意識してみてください。
高すぎる目標を作らない
英語力ゼロの状態から「3ヶ月でTOEIC900点を取る」「半年でペラペラになる」のように無理に高い目標を立てると、途中で挫折しやすくなります。
まずは現実的で達成可能な小さな目標を設定し、少しずつ自信を積み重ねることが重要です。
たとえば、まずは「TOEICで400点を目指す」「1日5分でも英語に触れる」といった目標から始め、達成したら次のステップへ進むようにしましょう。
少しずつ目標を達成していくことで、モチベーションを維持しやすくなります。
一度中断しても大丈夫!やり直しは何度でもできる
忙しい社会人にとって、英語学習が中断することは珍しくありません。
仕事や家事が忙しく、「今日は英語学習できなかった…」という日も出てくるでしょう。
途中で中断したとしても「英語学習は向いていないんだ」「一度やめてしまったから再開できない」と考えすぎないことが大切です。
英語学習はいつでもやり直せますし、過去に学んだ内容がゼロになるわけではありません。
英語学習を継続するために、焦らず自分のペースで再開することを心がけましょう。一度学んだ基礎があるため、再開時には以前よりスムーズに学習が進むこともあります。
英語力を伸ばすには、できる限り毎日英語に触れることが理想ではありますが、高すぎるハードルを掲げず自分にできる範囲で英語学習を進めていきましょう。
英語をやり直す社会人が学習を続けるコツ
社会人が無理なく学習を継続するためのコツを紹介します。
- AIや試験を使って自分の弱点を把握する
- 英語学習のハードルを下げる
- 楽しめる方法で勉強する
- 初めに決めた「目的」を意識する
効率的に学びながら、長期的にモチベーションを保つコツをご紹介します。
AIや試験を使って自分の弱点を把握する
英語力を効果的に伸ばすには、自分の強みと弱点を知ることが大切です。
弱点を知ると、その部分を重点的に学習でき、効率よく英語力を伸ばせます。
ですが、特に独学の場合はどのように自分の弱点を見つければいいのか迷ってしまう方も多いでしょう。
弱点を把握するのにおすすめなのが、TOEICのような英語の試験や、AIを使った英語力診断です。
英語学習のハードルを下げる
忙しい日常の中で学習の習慣を続けるためには、学習のハードルを下げることが重要です。
「少しでも英語に触れればいい」という意識を持つことで、英語学習への負担が減り、継続しやすくなります。
1日5分だけでも勉強する、通勤時間にリスニングを取り入れるなど、日常の隙間時間を活用して学べる方法を取り入れるとよいでしょう。
また、「完璧に理解しなければいけない」と考えるよりも、「まずはできる範囲で進める」ことを意識すると、途中で投げ出すことなく続けられるようになります。
楽しめる方法で勉強する
長期的に英語学習を続けたい場合は、楽しめる方法を見つけることが大切です。
英語学習が「義務」ではなく「楽しみ」だと感じられると、日々の学習が負担になりません。
好きな映画やドラマを字幕なしで楽しむ、英語の本を読む、英語の音楽を聴く、英語圏の推しを作るなど、趣味のようなかたちで英語を日常に取り入れてみましょう。
英語で書かれたブログやSNSの投稿を読むなど、興味のあるテーマで学習することもおすすめです。
初めに決めた「目的」を意識する
英語学習を始めたときの「目的」を意識することは、モチベーションを保つうえで重要なポイントです。
挫折しそうになったり、モチベーションが下がったりしたときは、英語学習をやり直すきっかけとなった「目的」を思い出してみましょう。
「仕事で英語を活用してキャリアアップを目指したい」「海外旅行をもっと自由に楽しみたい」といった最初の目標を思い出し、さらに英語ができる自分を具体的にイメージしてみると、英語学習へのモチベーションが上がります。
目的を書いたメモを壁に貼る、スマホの待ち受け画面に設定するなど、日常的に目にする場所に目的や目標を掲げておくのもおすすめです。
まとめ:社会人からでも英語はやり直せる!まずは弱点を把握しよう
英語学習は、社会人からでもやり直せます。
忙しい社会人の方にとって重要なのは、効率的に自分のペースで継続していくことです。
隙間時間を有効に活用するためには、自分の弱点を把握して、弱点克服を意識的に行うことが大切です。
独学の場合はどのように自分の弱点を見つければいいのか迷ってしまう方も多いでしょう。
まずは、TOEICのような英語の試験や、AIを使った英語力診断を活用して弱点を把握してみましょう。
執筆者=mayuri